振り返れば季節などなく

うっすら冷たい風に乗って、間断なくこぼれる花弁。
柔らかく優しくって、ずっとここにいたいと思ってしまう。

久しぶりに大学時代の空気を浴びるようにすごした休日だった。
当時家族よりもたくさんの時間をすごし、一緒に笑って嘆いて汗をかき続けた友人たちとの再会。
あの頃よりもずっと柔らかく笑えるようになったのは、私自身の成長だと思ってる。
煌めく彼女たちへの羨望も、今はもう薄れてる。
私は私なりに輝いている、輝いていけると、地元ですごした数年が教えてくれたから。
彼女たちのように軽やかな女の子にはなれなかったけれど、女の子という時期を通り過ぎようとしている今は、私らしくあればいいと分かってきた。
そして、私に華やいでほしいと言いつつ、それは私のペースでいいと受容してくれる夫がいるから、もはや私は華やぎや煌めきの基準を外と比べなくなった。

女の子らしくあれないことを、言い訳するには十分ドタバタな大学生活。
いつも髪を乱しアザだらけボロボロの体で電車に乗り、時にジャージの集団で表参道を歩き、帝国ホテルに突入するような。
ブラック企業みたい、と友人に言われながらの日々で、私はたぶん軽い鬱だったと思う。
もう一度大学生に戻りたいかと問われれば迷いなくNOと答えるほど、私にとって大学卒業はひとつの解放だった。

一度解放されて、距離を置けば、思い出したくもなかった日々が笑い話に形を変える。
悩んでいた毎日も、その隙間で笑い転げたことも、悔しくって歯噛みした夜も、そんなことがあったね〜〜!と語り合える。
そんな時期はこの四半世紀の人生にはほとんどなくて、今になってその貴重さを噛み締めたりする。

辛いことも笑えることも山のようにあって。
忘れてもいいし、忘れなくたっていい。
過ぎてから気づくというのなら、あの日々はまさに私の青春でした。

tete a tete

自問自答ファッション

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