ファッションにまつわる呪縛アレコレ

自問自答ガールズの皆さまのアウトプットを読んでいると「みんなファッションの自問自答をしながら、服に対する無意識の抑圧に気づいて自分を解放する方向へ向かっているんだなぁ」と感じます。そして、それが生き方の圧に対する解放に繋がっている方もいて、美しい命やエネルギーの煌めきを目撃している気分です。

幸か不幸か、服に興味の薄かった私はファッションに関して自分を失うような圧を受けたことはないのですが、それでもそれなりに縛られ囚われている考えや言葉はあるなぁと思ったので、書き出して整理してみることにしました。

書き出して気づく果てしないボリュームに驚いています。

◉ 洋服は着回すものである!

ちょっとは服に興味を持ちなさい、と母に押し付けられたり、美容院でえいや!とばかりに博打で系統を判断して差し出されたり(20歳のときにオレンジページを差し出されたときはさすがに笑ってしまいました)、私がファッション雑誌とめぐり合うタイミングはいつも受身でした。
そうやってようよう開いた中にある「1ヶ月着回し術!」のページによって、私とファッションの間の壁は高く強固になっていった気がします。

  • アイテム単体でもかわいいのに、スカートAともスカートBともコーデが組める!?
  • 何気ないTシャツなのに、スカートAとも、なんとパンツAとも相性バッチリで、まったく違う装いになる!?
  • え、みんな30日毎日違う服装したいの??

などなど。
最後の戸惑いはさておき、手持ちのスカート1や2、それっぽいTシャツで「着回し」をやろうとしても何もステキにならないので、あぁおシャレな人向けの嗜みなのね「着回し」……それでもどんな雑誌も謳うくらいだから、みんなできるのね「着回し」……という感じでした。

◉ 体を冷やしてはならぬ!羽織ものを持つべし!スパッツをはくべし!

スパッツ、はもう死語でしょうか。見せぱん?
暑がり汗っかきですぐ薄着になりたい私と、女の子は体を冷やしてはならぬ!という母は、長年埋めがたい溝を挟んでバトルを繰り広げてきました。
そのせいで、肩やおへそを出して歩く方を見かけるたびに「冷えをものともしないオシャレ!強い!」と尊敬の念が芽生えます。

スパッツをはくと腰回りがごわついて、スカートが綺麗に着こなせない気がしていたし、出がけに持たされる羽織ものを収納できることが大前提で鞄を選んでいました。
また、それこそどんなコーデとも相性のいい羽織ものなどなく、あの服にはアレ、この服にはコレ、とやたらクローゼットの中で羽織ものが幅をきかせていく始末。

スパッツに関してはもはや習慣として、30代になった今もナニかをはかねばスカートをはけなくなっています。大人って、何はいてるんでしょうか、スカートの中?

◉ これは私が思い切って買った3万円の鞄

母は着こなしに合ったお手軽な鞄を身に付けるのが上手な人でしたが、一つだけ、念入りに手入れをしながら長く使っている鞄がありました。
シンプルな黒革のショルダー。三萬円也。
スッキリした見た目と裏腹に十分な収納があり、旅行のときはいつもこのショルダーでした。
また紐の長さを変えれば肩にかけても使えたので、カチッとした場面のお供でもありました。

厳かに捧げ持つわけではないけれど、丁寧に親しく持ち歩き、子どもの記憶に残る場面でいつも登場する鞄。クリームをしっかり塗り込んでお手入れされる鞄。便利で使い勝手のいい鞄。

この鞄は3万円もしたけれど、思い切って買ったの。

鞄を手入れするたび、母はいつも鞄の値段を口にしていました。その数字はクリームが塗り込まれるように私の中に浸透していき、定着したのです。
「私より経済的余裕があったろう母でさえ、ステキな鞄を買うのに3万円の対価は大きいのだ。買って何年も口にするくらいには」

今ならば、買った物の値段を何度も口にするのってどうなのよ?と思います。子どものいた母と身軽な私、当時と近頃の物価差など、状況の違いも理解しているつもりです。
それでも、鞄に対する私の金銭的価値観は、ここでかなり強固に軸を決められてしまいました。

それでも少しずつ、何よりもっと柔軟な心を持った夫が隣にいてくれるおかげで、軸をずらしていけているな、と思うこの頃です。

◉ 汗!汗!汗!

もうこれは別立てで呪詛を吐かねばならぬほど、私の生き方を縛り付けている存在です。

服について言えば、汗の目立たない素材・色や、1回着たら即洗濯できるものを選んで生きるしかない、と選択肢がトコトン狭くなってしまっています。
あとは靴。裸足ですごすと悲惨なのでサンダルは履きにくいし、ストッキングの日は常に大惨事です。

ちなみに夫も大層な汗っかきで、夫に出会って初めて「私以上に汗をかく人っているんだ……」と感動したものです。スーツで会社員をやっている彼も、シャツ選びには難儀していて、我々は固く手を取り合いながら日々汗と向き合っています。

ここまでの分量にお付き合いいただけたかどうかは分かりませんが、書き出した当人はとてもスッキリしています。
これに体型のコンプレックスも加わって、ますます身動きが取れない状況ではありますが、私ももういい大人ですし。
自分を呪い縛る考え方から、自分の足で一歩ずつ抜け出していくための自問自答ですね。

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