繋ぐ夏

今年も、特に応援する学校もなく、高校野球を眺める夏です。
昨年夫と新居の家具を組み立てながら、真新しいテレビで流していたのが高校野球だった。もう一年が経つね。

基本は判官贔屓なので、負けている学校の攻撃には力が入って、逆転すればされた学校に力を入れる不安定っぷりだけど。
見ていた学校が勝ち上がっていくと、その学校に一つでも多く勝ってほしいと思う。
今もドトールで中継を見ながら。


スポーツは勝敗がつくから好きだ。
背景にどんなドラマがあろうとなかろうと、勝機を掴んだ方が勝つ。シンプルで分かりやすい。
だからこそ、見ていられない。
勝つことを目指して真剣に戦うのに、誰もが全力なのに、どちらかが負けるということに、私の緩んだ涙腺が耐えられない。
特に学生スポーツは「調子の悪いときもあるよね」ですまない一回勝負だから、その場面で力をしっかり発揮できる強さに、もう涙が出そう。


野球を見るようになったのは、結婚してから。
こちらにいれば否が応でもでも阪神の勝敗を耳にする。
ニュースのスポーツコーナーの導入テンションで、昨日の勝敗がどうだったかすぐ分かる。それを夫と笑っているうちに、夜おもしろいテレビがなければ阪神の試合を見るようになった。
延長で地上波が終わってしまえば、DAZNに切り替えてまで。


「なんでみんなキツネさん作るの?」
「ツーアウトだよ」
「へー。ピースだとチャラいからかな?」
「違うと思う……」


そんな会話をしながら、夫に野球のルールやセオリーを教えてもらううちに、試合を楽しめるようになってきたから成長だ。
そんな時間は実家で父とスポーツ中継を見ていた時間と重なってくる。
アメフトやゴルフはよくルールを教えてもらって、楽しかったっけ。
おかげで一年前よりずっと高校野球を楽しめてる。
素晴らしいプレーを素晴らしいと分かって観戦できるのが、本当に嬉しいね。

勝負事には心が弱くて挑めない人間なので、挑んで戦い抜く人が眩しい夏です。

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